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X79 Extreme4のOCをちょっとだけ掘り下げ

~前回のあらすじ~
故障パーツを修理してかなりそれっぽいPCを構成することができた我氏。
OCにトライして4.5GHzに到達したものの、BCLK設定が意味不明でそれ以上のクロックアップを断念。
最低スコアのグラフィックについてはノータッチで終わったのであった。
scaft.png


今回は突然の衝動で秋葉原へ行きGTX480を買ってくることから始まる。
想像通り結局また古いPCパーツで延々遊ぶだけの記事なんだ。つまりそういうこと。
egaeigaye.jpg
これ形なんとなくどこかで見たことがある気がすると思ったらVHSだね。
お値段は8000円弱なり。実費投入は避けたかったけど12000円(4000円はSSD)の投資で基本スコア7.8のPCができるならまだまだコスパは天に突き抜けたままだろう。

とりあえずVHSは大雑把に分離して確認。
y89tb4783obyt78o.jpg
ファンは自力でフィンに張り付くのでVHSっぽさを演出していた黒いカバーは単なる飾り。
発売当時は最高ランクのモデルだったので豪華な飾りがついているわけ。
GTX480はさながら早く生まれすぎたGTX580という位置づけなのでGTX570よりも総合的な性能は上。
それでもってGTX570よりもかなり安価に入手できるという現状まともに遊べるグラボの中ではトップのコスパである。
まあ現行の下位モデルを買うより古い上位モデルを買ったほうが安い上に性能も上ってことはザラにあるからね。
Haswellのi3なんて買うくらいならX58の900番台のi7でも買ったほうがいいでしょうと。

さて組みなおしたVHSをPCIeスロットに突っ込んでとりあえず計測。
grb.png
あっさりグラフィックのサブスコアが7.9に。
誰でも絶対必要なCPU・RAMと違ってグラフィックは使う人と使わない人が大きく分かれすぎているので4年前のグラボでもこんなスコアになるのだろう。
グラボはNVIDIA公式ドライバでOCできるほどOCが普及しているのでOCしてみない手はない。今回はOCツールは公式ツールより設定範囲が広いMSI Afterburnerを使用する。
CINEBENCHを用いて計測するとCPU4.5GHzと併用した場合、コアクロック910MHz、メモリクロック2240MHzまでは完走して76程度のスコアとなった(Vcore = 1.138V)。起動初回の測定ではたまに88や100.16などの壊れ値が出ることがあったが、GTX580のOC環境では110程度出るらしいのでありえない数値ではないだろう。むしろ76で止まることに何か原因があるのではないかと思われる。
しかし実際にメックに乗ってガッタンゴットンしたり宇宙エンジニアになってネクロモーフと相撲を取ったりすると上記設定ではハングアップしたり画面が明らかに危ない感じにちらつくので、実用上の最高クロックはコア830MHz、メモリ2100MHzくらいとなる。なおGTX480のリファレンスはコア700MHz、メモリ1848MHz、当カードはデフォルトがコア756MHz、メモリ1900MHzである。メモリクロックについては標記されるときに倍されたり半分にされたりすることがあるので適当な数をかけたり割ったりしてなじみの値に変換すればよい。
また、OS上のOCでは安定するクロックでもBIOS編集で身体の芯に設定を叩き込んだ場合には極端に不安定になるようである。古いグラボを買って遊ぼうという、大量消費社会への反抗心旺盛なお友達はぜひBIOS編集はしないでアフターバーナーで設定して使おう。


VHSのことはこれくらいにして本題のAsrock X79 Extremeの頭いかれたOC設定項目について。
まずはSandy bridge EのCPUの性質についておさらい。

・CPUクロック=倍率×元となるクロック
・事情により元となるクロックは5%程度しか変更できない。
・その代わりに元となるクロックを1、1.25、1.66、2.50倍に拡大したCPU専用参照クロックを利用できる。

元となるクロックといううんと曖昧な表現を使ったのは実際にBIOSの表記がそれ以上に曖昧だからである。
最近のCPUは少なくともFSBという呼称ではなくなっているようだ。普通はBCLKと言えばよいのだが、X79 Extremeでは逓倍される前と後のクロックを両方BCLKと呼んでしまっている(そう解釈してしまう書き方をしている)。


これが問題の説明文である。
IMG_0621.jpg

まずBCLK Strapってなんだ。CPU Strapではないのか。一応正式(?)な名称はCPU Strapのはずなのでこの時点でおかしいのだ。とりあえずそこは置いておいて読み進める。
BCLK Strap to xxxHz when....
なんじゃこの構文・・・。BCLK staps to なら分かるが、StrapのSが大文字だからこれは動詞ではなく名詞の一部なのだ。そうすると「名詞 to 名詞」になって不自然ではないのか。何か動詞が省略されているのか。まあとにかくネイティブはそういう表現もするものなのだろう。ここは「BCLK StrapはBCLKが○○の時にはxxxHzになるよ」と無難な解釈で行こう。

その難解な解説が指しているのはここの項目。
generalsettings1056.jpg

ホストクロックオーバーライド(BCLK)。文字通りマザーボード側のクロックを強引に変更するものである。
ちなみにCPU Strapによる逓倍もマザーボード側にある設備を用いるのでそちらも二者択一的にはホストクロックとなる。
問題になるのはこのホストクロックと呼ばれているものが本元のクロックなのか一回逓倍されたCPU用の参照クロックのどちらなのかということ。結論から言えばCPU用の参照クロックだった。

次に気になるのがその下のBCLK Mode。
クリックするとオートかマニュアルか聞かれ、マニュアルを選ぶと以下の4つの選択肢が現れる。
IMG_0622JPG (2)
これはまさしくCPU Strapの倍率と一致しているのでCPU Strapの設定に関係していることは間違いない。
素直に考えれば、オーバーライドしたホスト周波数を4つの倍率から選んでCPU用の基準クロックを作るものだろう。
ところがそうは行かないのがX79 Extremeの恐ろしさである。

試しにホストクロックの欄に100MHz以外の数字を入れる。(なお110では動かない)
この場合は各倍率では110、138、183、275となることが簡単に予想できる。
ところが、
IMG_0623.jpg
選択肢に現れる数字は依然として100に倍率をかけたもの。
モードがいつも100になっていてもホストクロックを上げるとPCの他の部分(PCIeなど)が影響を受けるので、モードで指定した周波数で動作している部分は存在しないようである。では、このモードの意味とはいったい何なのだろうか?

自動OC設定を読み出すと5GHzではホストクロック125MHz x 40倍、4.8GHzではホストクロック127MHz x 38倍となっているのでこの「ホスト」クロックはホストではなくCPU用の参照クロックの実値となるらしい。ちなみに自動OC設定そのままで保存するとホストクロックが125付近以上の設定はPOST画面すらたどり着かない。もしかしてそもそも原理的に動かないけどとりあえずそれっぽい設定だけ作ったのではないかと思ってしまう。
Asrockの製品ページには5GHzでの動作デモ動画があるが、それは倍率フリーCPUで100MHz x 50倍でやっていた。
あぁやっぱりそもそもCPU Strap自体使えないんじゃないか。

で、ネットを回ってみると同じ悩みを抱える人がちらほら。ほらやっぱね。あんな意味不明な説明で混乱しないわけないでしょ。
回答をまとめると「CPU Strapは超基本機能なので無いわけがない。Asrockがすごいイレギュラーな設定のしかたをしているかもしれないからいろいろ試せ。」
具体的なものでは「例えばBCLK120MHzでBCLK Mode125ならベースクロックは120/125の96MHzになるよ」という感じのもあった。
ははぁ~、さいですか。そんならあきらめずにやってみようか。特に後者。すっごいジャイアントヒント・・・・ってかほぼ正解が出たじゃないか。

試しにホストクロックを125でオーバーライド、BCLKモードを125にしてみると今までホスト125MHzでは映らなかったPOST画面が映った。そんじゃなぜ自動OC設定は使えないのか。

その答えがこれ。自動設定ではBCLK Modeはオートだったのだが、マニュアルにして中身を見ると・・・
IMG_0624JPG (2)
なぜか100になっているっぽい。これを手動で125に合わせると(他の設定相応な安定性で)動くようになった。

これで謎が解けた。最初のBCLKの意味不明な説明は意味を持つ指示を行っていたのだ。
まず前提として、ホストクロックと書いてあるのは真のホストクロックではない。
「ホストクロック」は「ホストクロック」ではない。いや、マザーボードが生成したものなのでホストではあるのだが・・・。
ホストクロックとはCPU Strapで逓倍された後のCPU用の基準クロックそのものの値である。
ご存知の通り、Sandy Bridge以降のCPUでは"逓倍前"のホストクロックの可変幅が非常に狭い。
"逓倍前"を許容範囲を超えて動かすとPOST画面にたどり着かなくなる。そこでAsrockはこの事故を防ぐために"逓倍前"のクロックをブラックボックスに入れたのであろう。
"逓倍後"のクロックが90~112MHzなら逓倍率を1にして"逓倍前"クロックの変動を-10%~12%にし、"逓倍後"が113~145MHzなら逓倍率を1.25にして-10%~16%にする、という具合に、ユーザーに逓倍後のクロックを決定させて逓倍前のクロックを後から決定するという、普通とは間逆の方向の設定が導入されていたのだ。
ところが実際には5%強、良くて8%しか変動できないので90MHz~300MHzというレンジは半分くらいが無効なエリアとなってしまっている。100MHzからチマチマと上げていったユーザーはまず106MHz目前で動作不能ゾーンに突入する。
次の動作可能ゾーンは120MHzあたりなのだが誰がそんないきなり上げて動くと思うのだろうか。まずそもそもホストクロックと書かれてしまっているので、CPU Strapの概念を知っている人ならそれ以上上げようとはしないだろう。
で、次はホストクロックを100MHzに保ったままBCLK Modeを倍率そのものと勘違いして125にするのである。上説明の範囲外のクロックと倍率の組み合わせでは動作範囲を大きく外れてしまうので当然起動しない。
要するに完全にArockが読みを外して大失敗作になってしまっているのだ。せめて項目の名前の付け方さえもうちょっと適切であればまだマシだったのではないか・・・。

大枚叩いたわけではなく故障品を蘇生させたものなので文句を言っても仕方が無い。とにもかくにも5GHzへの道が見つかったので喜んで踏み出そう。
5ghz.png
しかし、4.5GHz以上はそれまでの超簡単なクロップアップとは一変して厳しいものであった。
5GHzでのWindows起動・軽負荷運用までならてきとうに電圧いじるだけで達成可能。
だがWindowsが起動した段階から高負荷耐久できるようになるまでには大きな距離がある。
コア電圧1.4V未満では負荷がちょっと上がると即フリーズ。1.4V以上では保護機構が作動して問答無用で落とされる。
結局Windowsエクスペリエンスインデックスが通ったのは125MHz x 38 の4.75GHzまで。しかもスコアは依然として7.8。
冷却がだめなんじゃないかと思いCPUクーラーに1.4Aのファンを取り付けて12cm角3900rpm回転の暴風を叩き込んでみたりもした。いくら空冷でもこれくらいアホみたいに風でゴリ押しすれば水冷に迫る冷却力になるはずだ。
それでもWindowsが起動して特に何も作業していないときでもコアは50℃を下回らない。省電力設定の効かないBIOS段階では20秒もたたずに100℃に到達してしまう。クーラーのヒートパイプを手で触っても異様に熱いわけではないからコアとクーラーの間に急激な温度勾配でもあるのだろうか。やっぱり殻割&リキプロ・・・?と思ったらダブルグリスバーガーはIvyとHaswellなのでSandy Eは関係ない。


というわけで、Asrock X79シリーズでもCPU Strap機能は使用できることが判明した。
目標の5GHz高負荷安定は不可能であったが4.75GHzまでの高負荷安定は確認できた。
良く考えれば空冷で5GHzWindows起動だけでも大したものである。X79のOCが楽しかったので部屋の隅にあるX58 Extreme3 + i7-960でもOCを試して遊んだところ4GHzでのWindows起動が精一杯、同マザボ + Xeon W3520(i7-920相当)はWindows起動は4.4GHzまでだった。
いや、というかめちゃくちゃ暑いわ。
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